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平成27年度(第17回)支部総会の報告

8月 10th, 2015 | Posted by admin in 2015年

「平成27年度(第17回)日本ALS協会島根県支部 定時総会」

日本ALS協会島根県支部 定時総会

【日時】6月27日 出雲保健所
【場所】出雲保健所

  • 総会次第
    開会挨拶

    1. 支部長あいさつ 景山敬二
    2. 一般社団法人日本ALS協会 長尾義明会長メッセージ
    3. 来賓代表あいさつ 島根県健康福祉部 健康推進課課長 知念希和様
    4. 来賓・顧問紹介
    5. 議案審議
      ※ 議長選任
      イ)第1号議案 役員選任について
      ロ)第2号議案 26年度事業報告
      ハ)第3号議案 26年度会計報告および監査報告
      ニ)第4号議案 27年度事業計画(案)
      ホ)第5号議案 27年度予算(案)
      ヘ)社員総会代議員交代の報告
      ※ 議長解任

閉会挨拶

 

  • 講演会(共催:しまね難病相談支援センター)
    1. 演題:「介護が楽になる考え方、声がけ、セルフケア」
    2. 講師:土江 正司 様(島根県臨床心理士会会長・心身教育研究所所長・インド政府公認ヨーガ教師・支部運営委員)
  • 交流会次第
    1. 挨拶 松江保健所所長 平賀瑞雄様
    2. フリートーク
    3. 記念撮影


<総会報告>

 10組の患者家族(患者3名・家族10名・遺族3名・他の難病患者1名)を含む約60名が参加。いつになく、にぎやかな会となった。諸岡運営委員の司会により、この一年間に亡くなられたALS患者さんを悼む黙祷から総会が始まった。

 支部長挨拶は島根県立大学看護学部二年 副島彩希さんに代読いただき、会長挨拶は松浦運営委員が代読を行った。ご来賓を代表して 島根県健康福祉部健康推進課長 知念希和様にご挨拶をいただいた。


支部長挨拶の要約

支部長挨拶代読

支部長挨拶代読

「今年、元日に難病法が施行され、これまで無料だった重症患者にも一ヶ月千円の医療費・入院では食費の二分の一の自己負担が課せられるようになりました。出費が増えるのは大変ですが、特定医療費受給者証に記入された実際の医療費総額を見るととても支払える金額ではなく、少しホッとします。

 難病法の成立により国の難病対策にしっかりと予算がつくようになりました。四月一日には、日本医療研究開発機構が設立され、医療研究を支援し産学連携にも関わる働きがあります。機構には難病研究課が設けられており、原因の解明や治療法の開発を推進し、難病患者が受ける医療水準の向上を図るとしています。

 三月には、慶応大学の岡野栄之教授のグループがALS患者のiPS細胞を使い、すでに医療現場で使われている医薬品700種以上の中から、複数の薬がALSに効果があると発表しました。脳の発した信号を受ける神経突起が短くなるALS特有の変化を抑える効果があるとのことです。別の病気の治療に使われていて基本的な安全性は承認済みですので、認可に向けた治験も短くなる可能性があります。治療法の確立するその日まで、私たちはなんとしてでも生きねばなりません。」


会長挨拶の要約

「最近は気候が定まらず、私事ですがこの2月には8年ぶりに入院をしました。同時期に会員の入院連絡も受けており、体調管理が難しくなった事を感じます。しかしながら入院待機患者は3ヶ月半から半年待ちと聞き驚かされました。在宅傾向とは名ばかりで、まだまだ制度が整っていないことを痛感しました。自分よりもっと過酷な人がいることを、常に頭において考えるようにすると、視野が広くなります。それには人との交流が必要で、人のために何かをしてあげて下さい。今回の入院に於いてもコミュニケーション支援の活用で慣れた介護者が付いてくれたことから、医師や看護師との意思疎通を上手くはかることができ助かりました。これもひとえにALS協会としての要望が叶っての賜と感じました。

ALSとは、確かに過酷で残酷な病気です。私が発病した当初に比べれば、制度にしても自治体の理解にしても前進が見られ良くなりました。最近ではエダラボン等、かなり期待が寄せられる薬もでてきています。協会が声を大にして行政に訴え続けている現状が様々な理解や改正に繋がっていることや、患者同士の絆により助け合う事で多くの情報が得られていることを理解して欲しいと思います。」


来賓挨拶の要約

来賓代表挨拶 知念課長

来賓代表挨拶 知念課長

「島根県のALS患者さんは約90名おられます。この90名の方にとっては、患者会・家族会の活動は大変励みになっていることと思います。皆様方の日々の活動に対しまして改めて感謝いたします。

 難病法は、一部の患者様には医療費負担が増えたという点では恐縮ですが、法律が出来たということは国が方針を決めて難病対策に取り組んで行くということで大変大きな一歩であったと思います。

 県内におきましても、医療費の助成だけでなく圏域ごとに取り組みを進めて行き、皆様のニーズに対応して共に住みよい地域になるような未来にして行きたいと思います。以前から皆様の要望にありますコミュニケーションの事業が進んでいない現実があることが分かり、その改善を市町村で取り組めるように努めているところです。このあとの交流会などでも、患者様やご家族の方の要望を聞き、今後に活かして行きたいと思います。」


来賓・顧問紹介

ご来賓の皆様

ご来賓の皆様

来賓

島根県健康福祉部 健康推進課 課長  知念 希和 様

松江保健所所長  平賀 瑞雄 様

島根県議会議員  白石 恵子 様

松江市議会議員  新井 昌禎 様

出雲市議会議員  板倉 一郎 様

顧問

島根県看護協会訪問看護ステーションやすらぎ 所長  加藤 典子 様

島根県立大学看護学部 教授  加納 尚之 様

同日、香川県において中四国 神経内科学会が開催されたため、来賓・顧問とも、神経内科の先生方はご欠席となった。

また、総会には所用のためご欠席となったが、県議会副議長 大屋俊弘様・松江市議会議員 川島光雅様よりメッセージを頂戴し、披露させていただいた。

 澤副支部長を議長に選任しての議案審議では、いずれの議案も執行部提案が承認された。役員選任では、これまで谷田副支部長が兼任していた事務局長に黒田研治さん、監査に森江准子さんが新たに就いた。事務局は引き続き支部長宅に置くことが報告された。代議員交代については任期満了につき、222日の運営委員会において谷田副支部長から松浦委員への交代が決定したこと、併せて、社員総会への出席が報告された。


<講演会の報告>

 講師の土江正司先生から「介護が楽になる考え方、声がけ、セルフケア」と題して講演していただいた。講演は、具体的、かつ段階的な内容で、お話しのみならず体験やワークを通して実感できる内容だった。


講演の要約

講演会 講師の土江先生

講演会 講師の土江先生

1)被介護者を愛せない

介護者が被介護者を愛せないのは心を安定できていないから。人間はそんなに強くありません。助け合って生きていくものです。大事なのはヘルプが言えるか、自分が出来ない事を相手に言えるかどうか。心の内面的な部分はなかなかヘルプが言えない。甘えたいのに甘えられないから制度を利用出来ないのです。なかなか人に言えない内面的な出来ない事をお願いするのが大事な甘えです。甘えようとしている人は「言われなくても分かって。察して欲しい」と思います。甘えられている人は「察しないといけない」と思う。だが、いつまでもそれではいけない。自分から言えるようになる必要があります。

ここで二人一組になり、一方が背中を向け相方が背中をトントン叩くというタッピングタッチを参加者全員で体験した。始めは何も言わずに叩かれる。次に叩かれる人が叩いて欲しい場所や強さを言う。察する、教えることを体験するという内容だった。

2)自分への声掛け『雲のワーク』(絶え間なくやってくる自分が犠牲になっているという想い)

講演会 タッピングタッチ

講演会 タッピングタッチ

講演会 笑顔でタッピングタッチ

講演会 笑顔でタッピングタッチ

 ヨガ(カルマヨガ)の哲学から。まず、『義務を果たす』。何が義務なのかを深く考えるかたわら、自分の身にふりかかってきた義務を果たすということ。

その上で、これに続く教えとして、『他人の義務に手を出すな』。お節介はしない。子供に「勉強しなさい」と言うのは子供の義務に手を出していないか?介護者は被介護者の義務に手を出してはいないか?

三つ目に、『結果を求めるな』。結果を求めるからいけない。私は臨床心理士の仕事で不登校生に会います。面談をすることで学校に行くようになることを先生や親御さんは期待します。だが、臨床心理士は面談ではそのようなことを求めません。結果を求めるから落ち込んだりします。この原則を知っていれば迷ったり落ち込んだりしない。良い結果にならなくても結果を求めてはいけなかったなと思いましょう。

ここで心の整理をする『雲のワーク』をした。

1枚の紙を横長に使います。上から3/4くらいのところに地平線を引く。山があったり谷があったり。上は空、下は地面。気になることを雲として書く。たとえば介護や仕事のこと。雷やお日様などで雲に表情をつけましょう。分かるようであれば、気持ちも書く(介護のことを思うと不安、仕事のことを考えるとイライラなど)。楽しみなことも書く(旅行に行くなど)。取り組めることに番号を振り、優先順位をつけます。地面のところに番号についてどうしよう、これからやってみるかな、などの対策や気付いたことを書く。隙間があると気付く。気付くことが大切。介護の問題が占めているのは、頭の中のすべてではなく一部だと気付くことが大事。まだ余裕がある、青空の部分があると気付く。

問題は簡単には解決しません。私達はやはり仲間に受け入れられているときに安心します。受け入れられないと辛い。甘えには受け入れられたいという思いがある。場に貢献するのが大事。あの人がいてくれると助かるわ、と思われます。自分は受け入れられていると感じることで犠牲になっているという感じが減ってきます。

3)周囲への声がけ

「周囲の理解のなさに腹が立つ」と言う人がいます。あまり腹を立てない方がいい。その人にはその人の考えがあり、今は忙しいのだと考えましょう。腹を立てると頭の中がワーッとなる。腹が立つことは考えない。また、自分はダメな奴だ、あいつはダメな奴だと考えない。心をクリアにしておく。なぜこんな病気になったのか、なぜこんな目になったのかと問い続ける人がいるが答えはありません。考えたくなりますけど、代わりにどうしたら良いだろうかと考える。

「付き合える」ということ、病気・人・環境などなど。病気とうまく付き合えば楽になる。薬を飲むのも一つの付き合い方。人との付き合い方も。仲良くならなくても挨拶とか。付き合える=治る方向に向かう。原因をさがすのは良い考え方ではない。どう付き合うかを考えるのが幸せな考え方。

最後に、簡単なヨガを皆で体験した。

肩こりの解消 
息を吸いながら手を上げる。指を広げ、かかとを下ろす。肘を脇腹まで下ろす。肩や肩甲骨のうしろに意識を。息を吐きながら腕を下ろす。

腰痛の解消 脚を少し開き、左手で左足を触る。右手を上げ、左前方に伸ばす。体を前に倒してから元に戻す。反対の手足も。

相撲のように四股を3回踏む。

今日は、「付き合うこと」と言いましたが、自分の身体とも付き合わないといけない。それはなかなか難しい。ヨガをやるのも一つの身体との付き合い方です。介護者にとっては病気の人とうまく付き合うのが付き合い方です。

講演会 肩こりをほぐそう

講演会 肩こりをほぐそう

講演会 腰痛退治

講演会 腰痛退治


<患者・家族・支援者交流会の報告>

司会  土江正司(運営委員・島根県臨床心理士会会長)

 講演後、10分間の休憩を挟み交流会。休憩中に互いの顔が見えるように座席転換をした。

平賀松江保健所所長様のご挨拶の後、フリートークの形で参加者がそれぞれの思いを発言した。今年は初参加の方も多く、不安や悩みなども打ち明けていった。


挨拶の要約

交流会 患者さんの笑顔

交流会 患者さんの笑顔

交流会 平賀松江保健所長

交流会 平賀松江保健所長

交流会の様子

交流会の様子

「今日は、総会17年目ということですね。本当に皆さんがかんばってこられたのだなと思います。また、長く続けてこられたのは、この交流会が家族の人々の喜びや苦しみの共有の場、話し合える場であったことであろうと思います。」

発言集

司会】今日は患者さん、家族さんも多く来ていただいている。行政の方も多数来ていただいている。出来れば近況および、こんなことに困っているなどご挨拶いただけたらと思う。

家族1今、仕事もしたいし、親を家でも見たいしと中途半端な感じで迷っている。

保健師12患者・家族の方の生の声が聞けたらと思い参加させていただいた。患者・家族の方のご意見を聞かせていただこうと勉強に来た。

保健師3自分が担当する圏域には患者様が少ないので、このような会に参加させていただいて、良いところはつなげていき、皆様の支えになれるように努力して行きたいと思う。

作業療法士12初めての参加。家族の方の話を聞き、今後に活かせればと思う。毎年参加している。いろいろな方とつながりが持てたら支援方法が増えるかなと思う。

家族2兄妹で来た。父がALSを発症して1年ぐらいになる。皆さんの意見を参考にしたい。

作業療法士3初参加なのでいろいろ勉強させていただきたいと思う。

介護支援専門員】患者・家族の皆さんがどの様な気持ちでいらっしゃるのか勉強させていただきたい。

患者1最近ALSを発症した。治療を始めたばかり。いろいろなことを学んでいきたい。

他の難病患者】ALSではないが、私も難病で、この身体(ストレッチャー型車椅子を使用し介護者と参加)で20年生きている。今日は、こういう生活に困っている、こんなことに困っていると言うような話がいっぱい出るのではないかと思う。松江で当事者が当事者をサポートするという団体で活動をしている。言いたいけど言えない人の思いを伝えたい。

家族3私は、病気をどうしようとは考えていない。家内は病院でお世話になって丸4年になるが、私には病気を治すことは出来ないし、癒すことも出来ない。先日、難病ボランティアに参加して温泉へ行くお手伝いをした。その行程にはカラオケがあり、患者の皆さんの多くの人が参加し、歌が始まると生き生きと歌っておられた。これが癒しだと思う。この瞬間、瞬間の連続が癒しだと思った。演歌は、歌詞に『死』なども出て来るが、患者さんは歌詞に出て来るのは、歌だと割りきって心から歌っておられた。これがまさに癒しだと思った。

家族4(患者の)息子には今、出来ることをするしかない。出来なくなったことを嘆くのではなく、今、出来ることをすることが大事だと思う。

保健師4患者さん、家族の方の声を聞かせていただき、地域で共に何が出来るかな?と考えたい。自分が担当する圏域の方に声を掛けたのだが参加出来ずにいたので、また、繋ぎ役になれればいいなと思う。

行政1難病法が新たな制度に変わり、今まで支援を受けられなかった方々が支援を受けられるようになった反面、それまで無料だった方々に自己負担が発生した。心苦しく思っていたが、支部長挨拶を聞いて気持ちが少し楽になった。日々困っていることや工夫をされていることなどもあろうかと思うので、そのような話を聞いて、地域でどうしていけば生きて行くのに良いのか一緒に考えていけたらと思う。

保健師5難病に関わるようになり8年くらいになるが、その時々が新たな課題だと思っている。保健所でお手伝いが出来るところで頑張っていこうと思う。

家族5妻が発症したのは平成8年。最初の3年は大変だった。3年、5年、10年といろいろ考えを変えて行かないとこちらが生きて行けない。発症したころは、子供も小さかったが孫が出来た。生活のリズムの中に介護をいれて行くのが大切。今、ほとんど目の動きも分からなくなっていて、会話も私ぐらいしか出来ない。介護につぶされないようにしないと、と思う。自分の健康を大事にする。自分の生活の中に介護をどのように入れるのかを考え、自分も快適に過ごしていくことを心掛けている。

遺族1昭和62年頃、今から30年前に妻が発症した。平成612月に島根県へ陳情に行き、それがご縁でいろいろな人が8回くらい集まった。その話し合いをミニコミ誌にしていったのが支部設立に繋がった。平成11年の今日、島根県支部が設立した。支部が出来たおかげで、ALSについて県にも知っていただいたように思う。30年前にALSのことを知っている人はほとんどいなかった。その一言に尽きる。

看護師】島根県には62の訪問看護ステーションがある。それぞれの地域で生活するには切っても切れない関係なのが訪問看護だと思う。その地域での生活をケアマネさんたちや他の職種の方と共に支えていると思っている。県看護協会でも在宅での介護職員の吸引が可能になるように研修を行っている。

大学教員】毎年この会に出席させていただき、いろいろな方の話を聞かせていただいた。本日の講演を聞き、私には「健康と教育」がキーワードだと思った。教育と言えば、本日は、本学の学生も来ている。このような会に参加させていただき本当にありがたい。

患者2(妻が代読)私たちが望むのは治療法の確立とALSの撲滅。人類はこれまでいくつもの『不治の病』を克服してきた。いつかALSも治る日がきっと来る。それまでは生きることを諦めてはいけない。私は平成16年以来12回連続で出席している。「今年も生きていた」「元気に参加できた」という喜びと、「まだ治療法が見つからなかった」という落胆とが複雑に絡み合う。日本ALS協会や支部がいつまでも存在してはならない。治療法が確立し、協会が解散する日には皆さんと祝杯を挙げたい。我々患者は多くの人々に支えられて生きている。家族はもちろん、ヘルパーさん、医療関係者、保健所を始めとした行政、福祉関係、さまざまなボランティアの方々、友人。自身の声で伝えられなく悔しいが、心より感謝を伝えたい。

家族6初めてお会いする家族の方、患者の方、多くの方に参加していただいた。主人は発症して15年が過ぎた。在宅とレスパイト入院とを繰り返して過ごしている。皆さんに先輩としての良いアドバイスが出来ればと思う。

患者3初めて参加させていただいた。発症は3年前。昨年の9月ぐらいは、会社に勤めながら生活をしていたが、今年4月からは休職中。自宅に居ることが多い。車椅子を支給していただいている状況ではないが、デモ機として使用させていただいている。この電動車椅子であちこち出掛けるのが楽しくて、先日も松江に行ったし、出雲大社の町を探索するなど、1日あたり10km近く走っている。少々の段差やぬかるみ・多少の坂でもこの車椅子ならある程度行ける。自分でもこれがすごいことで、車椅子ありがとうという感じ。今日は私の40歳の誕生日(会場から拍手の祝福)。40歳というのは、介護を受ける側としては大きな転機。介護保険が使えるようになる。今までは高いレンタル料金で借りていた物が1割負担ぐらいで借りられるので、経済的にもこの先不安なことが多々あるが、介護保険が使えるようになることは大変うれしいこと。

介護支援センター職員】この度、ALS患者さんとご縁があって初めて参加した。一日も早く新薬ができ、ALSが終わることを願っている。

親族】私は患者のいとこ。小さいころから知っていて、元気なときも、体に力が入らなくなってきたときのことも知っている。一緒に働いていたこともある。このALSと言う病気を知ってからも、このくらいで病気が止まったらとか、病気の治療法が出来たらとか思っていた。私が介護に携わることは出来ないが、この病気のことを知らない人はたくさんいて、まずは病気のことを知っていただき、病気のことをどのように思うか?という気持ちが発生すれば今の状況より良い状況が生まれるのではないかと思っているし、できたらそういうことを思って生きたい。自分が出来ることは精一杯しようと考えている。治療法が確立されるまで、周りを暖かくしていくことも大切かなと思う。

遺族2主人は去年の10月に亡くなった。それまでの経過を話す。平成11年、初めてALSという言葉を聞いた。治らない病気。そのとき普段新聞に目を通さない私に、新聞の片隅にあった『日本ALS協会島根県支部発足』の記事が目に入った。これが幸運だった。情報が欲しくて参加した。主人は球麻痺から始まり、12年に気管切開をした。進行が早く、133月には人工呼吸器を着けた。在宅で1ヶ月くらいは家に居られたのが、平成17年、18年くらいからは、1ヶ月を2週間在宅、2週間を病院という感じになった。そんな状況を5年間くらい過ごし、次第に在宅期間が減っていった。病院の先生、訪問看護ステーションの皆さん、皆に一生懸命していただいた。お世話になった。主人はそのありがとうの気持ちを十分に伝えることは出来なかったのかもしれないが、私が思うには笑顔で対応したと思う。今はその笑顔が懐かしくなってきた。ああいう笑顔を私もしたいなと思うが、なかなか出来ないもので。平成2511月からは、1年間体調が悪くなって行き、「これがALSというものか~」という感じ。その間は一生懸命で、節目、節目に病気と付き合って来たなと講演を聞いて思った。付き合って下さった皆様に感謝する。

行政2なかなか、普段仕事をしている中で患者さんや家族の方の話を聞くことがないので、本日は患者さん家族の方のお話を聞け、すごくよかったなと思った。ご苦労もご負担も当事者ではないので、想像することしかできないが、お困りのことに寄り添えるような取り組みを進めて行きたいと思う。

行政3貴重な時間を、皆様の話を聞かせていただけたことが素晴らしいと思った。笑顔が見られなくなったという話があり、皆に支えてもらったというお話があった。まさにこれだと思う。皆で出来ることをしていって本当に良かったねと言える環境に出来れば、いろいろなサービスにつなげて行けたらと思う。

遺族2JALSAしまね』に取り上げていただき、お礼を言いたい。9月に取材に来て下さり、2月に発行された。10月に亡くなったので、それが1ヶ月遅れても。そのタイミングというか、運じゃなくて、闘病生活を支えて下さっている人の思いを何度も聞いて、誰にも言えない、ありがたいものだな~と感謝の気持ちを持った。日にちが経って分かったことがある。仲間がいて、話を聞いてくれる人がいて、話をしてくれる人がいてこれで一人前だと気が付いて、これからもこのような心掛けでいたいと思う。

遺族1(妻の発症から)30年という大きな区切りになった。当時、協会本部の方や研究者に「20年、30年、いや5年待って下さい」と言われた。何を待つかというと薬が出来るという意味だった。残念だがまだ決定的な薬はないが、薬の開発はもう少しだと思う。研究開発に関しては、感謝の気持ちがいっぱい。楽になる考え方は、私の勝手な思いだが患者さんには小さくても良いので生きがいを見つけて欲しい。介護者は自分のやっていることは人のために役に立っているのだと喜びを発見して欲しい。自分からそういう思いでいれば、良い結果が生まれると思う。

家族5妻は、今、だんだん目の動きが悪くなってきている。パソコンの視線入力はいいなと思ったけど、それだけの見る力はないな?とも思ったり。そのあたりは?

大学教員】視線で動かすことは難しいと思う。最後には脳波しかないと思う。私が研究しているのは患者さんの脳波を採らせていただき、患者さんには右手を動かせと念じてもらって同時に脳波をとって動かす。神経が繋がっていなくても動くじゃないかと思い、研究をしている。

患者2昨日、脳梗塞治療薬ラジカット(一般名エダラボン)がALS治療薬として承認された。ただし、根本を治すのではなく進行を抑制するもの。既に処方されているリルティックと併用しても副作用がないそう。使用できるのは、発症してから2年以内腎臓の機能に異常がない点滴で何回かのクールに分けて投与 などの条件があるので、主治医に問合せて。

司会】これから話が盛り上がるところで会は終わるが、来年にとっていただけたらと思う。

黒田新事務局長

黒田新事務局長

支部顧問のお二人

支部顧問のお二人

支部長とお手伝いの看護学生さん

支部長とお手伝いの看護学生さん

森江新監査

森江新監査

全員集合

全員集合

総会会場

総会会場

記録:島根県立大学看護学部教員 阿川啓子

写真撮影:長岡 望

編集責任:景山敬二

 

 


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