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「令和5年度 難病等対策協議会の報告」

4月 28th, 2024 | Posted by admin in お知らせ

 令和6年3月14日、令和5年度 島根県難病等対策協議会が出雲市のしまね難病相談支援センター会議室にて開催されました。会場へ出掛けられない委員はwebで参加しました。私は入院中のため欠席しましたが、事前に委員意見を提出しています。

 4月12日には県健康推進課 担当者様より協議会の議事録と意見への回答が送付されました。資料の中から、ALSに係わることを中心に抜き出し、議事録も交え報告します。

(2024/4/22 景山敬二)

令和5年度 島根県難病等対策協議会資料

 冒頭の健康推進課 片岡大輔課長の挨拶の中の一部で、

「昨年5月にコロナが5類移行となるまでの間、コロナ病床の設置、医療機能の縮減により、在宅医療を選択、または選ばざるを得なかった患者さんが大勢いらっしゃいました。在宅復帰への調整もいろいろな支障があったことと思います。ALS等の重症患者さんにおかれましては、長く続いた面会の制約も療養生活の質に大きく影響を及ぼしておられたことと思います。この間、コロナに決してかかってはいけないと、ずっといろいろな辛抱をしていらっしゃいました患者さん及びその御家族、院内やまたは施設内で感染者の対応や院内感染防止に当たられた医療従事者、介護関係者の皆様、意思決定や入退院の調整の支援に当たってこられたソーシャルワーカーやケアマネジャー、訪問看護、保健所の方々に心より感謝と敬意を表したいと思います。」と述べられた。

[報告事項]

1.指定難病医療受給者数の推移について

  【受給者数】

現時点における指定難病338疾患
指定難病医療受給者数6,756人(令和6年1月末現在)
うち筋萎縮性側索硬化症95人(令和6年1月末現在)
前年度末 99人

 今年1月末時点で既に令和4年度末の人数を超えている。毎月60人から100人くらいの増加が見込まれていて、令和5年度末では約6,900人の患者数が予想される。

2.難病医療提供体制整備事業について

〇難病診療連携拠点病院等の指定状況

指定はいずれも平成31年3月1日

難病診療連携拠点病院(1ヶ所)島根大学医学部附属病院
難病診療分野別拠点病院(2ヶ所)島根県立中央病院(視覚系を除く全疾患群)
国立病院機構 松江医療センター(神経)
難病医療協力病院(23ヶ所)松江圏域松江市立病院、松江赤十字病院、松江生協病院、
鹿島病院、安来市立病院
雲南圏域雲南市立病院、平成記念病院、町立奥出雲病院、
町立飯南病院
出雲圏域出雲市立総合医療センター、出雲徳洲会病院
出雲市民病院、斐川生協病院
県央圏域大田市立病院、公立邑智病院
仁寿会 加藤病院(川本町)
浜田圏域国立病院機構 浜田医療センター
済生会江津総合病院
益田圏域益田赤十字病院、津和野共存病院
益田地域医療センター医師会病院、よしか病院
隠岐圏域隠岐病院
※六日市病院は令和6年2月29日に閉院。3月1日に同所によしか病院が開院。

○在宅重症難病患者一時入院支援事業利用状況

 医療依存度の極めて高い在宅重症難病患者の介護者の休養等のため、重症難病患者(人工呼吸器を使用している方、または気管切開しており、頻回吸引を必要とする方)が一時的に入院できるよう支援する事業。一時入院を受け入れる医療機関(委託契約医療機関)に対し費用を助成し、一時入院を行いやすくすることにより、在宅における安定的な生活の継続を図ることを目的としている(助成は年度で28日を限度)。

 平成21年度から全国に先駆けて始まった島根県独自の難病支援策で、翌年度には国の補助事業となり全自治体に広がった。

県と在宅重症難病患者一時入院(レスパイト)支援事業の制度委託契約を交わした医療機関は7圏域・24医療機関。委託医療機関名を挙げるが、すべての機関で受入れ実績があるわけではない。

 資料には委託医療機関別に年度ごとの制度を利用した受入れ患者人数・日数を記載した表が掲載されている。令和4年度の延べ利用日数225日に対し、令和6年2月現在で360日となっていて大きく伸びている。コロナが5類となり、控えられていたレスパイトが増えたと思われる。松江医療センターが100日くらい増加しているが、ALSの在宅療養者が増加したこと、併せてBIPAP・NPPV在宅者の増加で、この事業の対象者の増加が要因とみられる。  患者側としては、普段と同じケアがしてもらえるのか、コミュニケーションは上手く取れるのかといった不安が大きい。介護者の急な発病、希望入院日・日数等には応じてもらえないのがネックとなっている。レスパイト入院の相談・申込みは、難病相談支援センター・各保健所へ。

令和5年度契約先(令和6年2月現在)

松江圏域松江医療センター、鹿島病院、松江赤十字病院、安来市立病院
雲南圏域雲南市立病院、平成記念病院、町立奥出雲病院、町立飯南病院
出雲圏域出雲市民病院、出雲市立総合医療センター、斐川生協病院
県立中央病院、出雲徳洲会病院、島大附属病院
県央圏域大田市立病院、公立邑智病院、加藤病院(川本町)
浜田圏域浜田医療センター、済生会江津総合病院
益田圏域益田赤十字病院、益田医師会病院、津和野共存病院、六日市病院
隠岐圏域隠岐病院

〇在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業利用状況

 この事業は、筋萎縮性側索硬化症・多発性硬化症・脊髄小脳変性症等により在宅で人工呼吸器を使用している患者のうち、医師が訪問看護を必要と認める患者を対象としている。

訪問看護ステーションに訪問看護を委託し、診療報酬において定める回数を超えた訪問看護を実施する場合には、原則として1日に3回目、4回目(ただし、特別な事情により複数の訪問看護ステーション等医療機関により訪問看護を実施する場合にはこの限りではない)の訪問看護について、患者1人当たり年間260回を限度として費用を支払うものとする。

利用患者数は6名で、近年、ずっと6名で変化はない。

[利用状況]                     令和6年1月現在
  松江圏域 2ヶ所の訪問看護ステーション
  出雲圏域 2ヶ所の訪問看護ステーション

○難病医療提供体制整備事業報告

・難病診療連携コーディネーターの活動報告

 この事業は、主に重症神経難病に関わる相談支援を行っている。
 難病診療連携コーディネーターが対応した相談件数は1,280件(令和5年12月末現在 前年同期1,275件)。相談者の実人数は83名なので、1人が複数回相談していて、難病療養の厳しさがうかがえる。新規が1.9%、継続が98.1%とほぼ継続相談が占めている。
 相談者内訳としては、支援者からの相談が68%、次いで家族が13%、患者本人が11%となっていて、患者本人・家族よりも支援者からの相談対応が多いという状況。支援者の内訳は、保健師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャーの順に多くなっている。
 相談内容としては、コミュニケーション方法、治療法選択の意思決定、療養場所に関する相談が多い。近年、各拠点病院においても、ALS等の神経難病患者に対する治療選択の意思決定を早期より実施していて、胃瘻や人工呼吸器装着、療養場所の選択における相談が増加している。
 疾患別では神経・筋疾患が99%を占めており、ALSが1,083件と全体の84.6%を占めている。 
 そのほか、個別のケース会議が71件(退院前・治療選択・レスパイト的入院・コミュニケーション・在宅サービス・災害に関する支援会議)。
 入退院の調整はレスパイト的入院が15件ですべてがALS、長期入院・入所が3件で2件がALSである。近年、在宅人工呼吸療法のALS患者が増加したことや、それに伴う地域の在宅サービス支援体制の整備が不十分な部分もあり、介護者の介護負担感増加により、急なレスパイト入院の調整が多いという傾向にある。このことからもALSの介助・介護・療養がいかに苛酷であるかが伺える。

・難病医療従事者研修状況について

 座学となる難病医療従事者研修を2回開催。ALS患者の要望・要求への対応の仕方や、神経難病患者の看護ケアを見学・体験する医療機関実習は計3回、松江医療センターで開催した。難病コミュニケーション支援研修会は益田と浜田で1回ずつ実施した。

・在宅人工呼吸器の医療安全に係る事故報告

 あってはならないが2件の報告があり、2件ともALSである。いずれも家族が不在時で、退院による長距離移動時における呼吸器のバッテリー不足と、車椅子への移乗時の呼吸器のずれによるリーク漏れ。
 2件とも患者は大事には至らなかったが、後日、関係者が集まり対策を検討した。

・圏域別 筋委縮性側索硬化症・多系統萎縮症患者の状況

 ALS患者数は近年、増加傾向である。そのうち在宅療養6割、入院療養4割あり、10年前と比較してほとんど変わりがない。

県内筋委縮性側索硬化症患者の状況       令和5年9月末現在

  保健所  人数性差・年齢別
性別 
50歳
未満
50歳代60歳代70歳代80歳
以上
松江保健所4027133112159
雲南保健所62400123
出雲保健所1912723662
県央保健所53200221
浜田保健所127502334
益田保健所73401231
隠岐保健所54100230
94583657283420

・機器貸し出し状況

 “伝の心”や視線入力パソコン“miyasuku EyeCon”などのコミュケーション装置を購入前のお試しや、故障時の一時貸し出しをしている。また、スイッチも様々な種類のものが用意してあるので、病状の進行に応じたスイッチを試すことができる。
 貸し出しの希望は各保健所・難病相談支援センターへ。

3.難病相談支援事業等について

○難病相談支援センター事業報告

 難病診療連携コーディネーターばかりでなく、ヘルスサイエンスセンター島根内にある“しまね難病相談支援センター”でも、難病患者・家族の各種相談やレスパイトを含む入院先の調整、就労・患者会活動支援など多岐にわたる難病患者の支援活動を行っている。

 年度(令和5年12月末日現在)の総相談件数は648件(前年同月733件)で、若干の減少がみられる。実人数は177名なので、1人平均3.6回の相談となる。相談者内訳は、新規が142件(21.9%)、継続が506件(78.1%)である。新規相談件数は前年度同時期に比べ6.6%増加している。件数の点では、難病診療連携コーディネーターが対応する相談と共に、やはり継続相談が多い。治療法があれば寛解で相談も終わるが、治療法のないことで患者やその家族の悩み・不安は尽きることがなく、難病ならではの傾向と言えよう。

 地域別では、センターが出雲市にあるためか県東部が7割近くを占め、わずかだが県外も寄せられている。地域によっては生活圏や文化圏が隣県と似ているというせいもあるかもしれない。

 相談方法では、電話が6割以上を占めている。島根県は東西に長いので、西部や隠岐からはセンターへ出向くのは難しいのだろう。コロナも落ち着き、面談も18.4%と前年より2.3ポイント増である。

 相談者の内訳は本人が67.9%で最も多くなっている。

 疾患別でみると、神経・筋疾患系は189件と全体の29.2%を占め最も多い。次いで全身性エリテマトーデスなどの免疫系、網膜色素変性症などの視覚系、血栓性血小板減少性紫斑病などの血液系、クローン病などの消化器系と続く。神経・筋疾患系がトップの傾向はここ数年変わらず、このことからもALS(筋萎縮性側索硬化症)・パーキンソン病・重症筋無力症などの神経・筋疾患を抱えての療養生活の過酷さが推し量られる。

 専門医が各地域で相談を受ける専門相談は、年間15回計画していたが2回は予約がなく、計13回で51件の相談を受けた。

 難病患者・家族会の活動支援は、コロナの5類移行により、少しずつ患者・家族会の活動が再開されつつある。総会を開催した患者会も増えてきていて、支援を行っている。

 支部も共催している難病サロンは、新型コロナウイルス感染症対策で令和2年から休止となったが、患者数が最も多いパーキンソン病患者・家族からの相談が多く、令和4年度からパーキンソン病サロンを開催した。これまでの難病サロンも3月に開催する。

 難病フォーラムも4年ぶりに浜田市で開催された(11月3日)。

 難病相談支援センターは各保健所と連携し、各種相談・啓発にあたっている。

<啓発活動>

 ◇「難病の日(5月23日)」に併せて、県庁玄関ロビー・浜田市役所ロビーにおいて難病患者家族会の活動紹介展示を実施。

 ◇「世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day :RDD 毎年2月末日)」に併せて、松江テルサでマルシェを開催し、県内5か所の図書館で難病患者家族会の活動紹介展示を実施。  ◇難病相談支援センターと就労支援のリーフレットを作成し、保健所や関係機関を通じて配布。今年度は県医師会の協力で県内の医療機関・診療所の窓口にリーフレットを置き、啓発周知を図る。

〇保健所における難病相談・支援事業等実施状況

 保健所ごとに非常にたくさんの相談と支援の事業が行われている。

コロナが5類に移行し、患者・家族会や患者に直接アプローチする事業も再開されている。浜田では浜田保健所が事務局となり、島根県難病フォーラムも開催され患者会の方も参加した。

各圏域における課題等について、それぞれの協議会で検討されるなど、今年度はコロナ禍以前のように積極的な事業が展開されている。

4.難病法の改正について

 平成27年に施行された難病法の改正。
①難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実及び療養生活支援の強化
 医療費助成について、助成開始の時期を申請日から重症化したと診断された日に前倒しする。医療費助成の開始時期は重症度分類を満たしていることを診断した日とされ、この申請日から原則1か月遡ることができるようになった。入院などやむを得ない理由があった場合は最長3か月遡ることができる。
 令和5年10月1日施行

②障害福祉サービス等、指定難病及び小児慢性特定疾病についてのデータベースに関する規定の整備
 各種療養生活支援の円滑な利用及びデータ登録の促進を図るため、登録者証の発行を事業が創設された。マイナンバー連携が原則だが、県では該当の方が確認しやすいよう、併せて紙での発行も行う予定。
 令和6年4月1日施行

③対象疾病の拡大
 難病医療費助成制度の対象疾病(指定難病)は現在338疾病だが、3つ増えて341疾病となる。
 令和6年4月1日施行

[協議事項]

1.島根県における在宅人工呼吸器の取り組みについて

 2010年度、島根県では人工呼吸器を装着して在宅療養する患者が増加していたことから、県内の人工呼吸器使用患者を対象に人工呼吸器及び回路、接続部品によるトラブル経験や機器等の保守点検の実態調査を実施。その結果、半数以上の在宅療養者が人工呼吸器本体、回路、接続部品についてのトラブルを経験していた。
 このことから2011年度より「在宅人工呼吸器の医療安全に係る報告システム」を運用し、トラブル事例を県全体で収集し、原因や再発予防対策について関係機関に還元することで事故予防対策に対する注意喚起を行ってきた。
 2011年度には、「在宅における人工呼吸器の安全使用のためのガイドライン」を作成し、安全な在宅療養をするために、家族をはじめ、在宅療養に関わる関係者が安全管理の参考にできるよう活用をすすめてきた。
 それらにより人工呼吸器のトラブルの報告数は、年々減少している。
 今後の取組み案として、今年度「在宅人工呼吸器の医療安全に係る報告システム」については現状に合わせ要領改正を行い、関係機関に改正周知と合わせ、制度の再周知を行う。  2023年度~24年度においては、上記システムを運用し、トラブル事例を収集および分析を行う。また「在宅における人工呼吸器の安全使用のためのガイドライン」の活用状況について把握した上で、改訂に向け必要性も含め検討して行く。

2.災害対策について

1)現状

【患者の声】
・停電になり呼吸器が使えなくなるのが一番心配。
・家族を巻き込みたくないから、停電時の備えをしている。
・避難所の対応がどうなっているのか(避難先にベッドはある?)。

【家族の声】
・患者を連れて逃げたいが、自分一人ではどうしようもない。
・周りも要援護者ばかり。地域の支援は望めない。
・1年に1回、防災訓練をすることで、いろいろと確認することができるが、1年経つと忘れていることも多い。
 患者・家族の声をまとめると、災害が発生した時に自分たちではどうにもならないと感じている。また、災害発生時の動きがイメージできないことで、不安を感じている。

【保健所保健師の思い ~災害対策~】

・災害対策の必要性は感じているが・・・
 ▲患者・家族の災害に対する危機感がない(正常性バイアス?)
 ▲どう進めたらいいか分からず、後回しになっている
 ▲市町村との連携が難しい、関係者の理解が得られない
・圏域毎の基準や優先順位、個別支援計画で動いているけれど・・・
 ▲全県的な大規模災害時には混乱するかも!
・非常用電源確保対策事業はあるが・・・
 ▲災害時、本当に必要な全ての患者の元へ届けられるか不安
 ▲事業そのものの見直しが必要?
 いろいろ課題はあるものの、安心・安全な療養生活のために、災害時にしっかり機能する対策を整えたい!具体的な取り組みを進めたい!という思いが保健所保健師にはある。

【災害対策における保健所での取組】
 保健所ごとに災害時の個別支援計画と要援護者リストを作成している。
 個別支援計画は、それぞれがどのような避難をするかという計画になり、要援護者リストは災害時に援護が必要な難病患者をリストアップしたもの。
 両方とも保健所によって対象疾患や対象基準・更新状況・市町村との連携がまちまちである。また、非常用電源についても名簿掲載者数と保健所に配備されている数に乖離があり、実際に運用ができるのかという課題がある。 *例 松江保健所:要援護者リストの対象疾患は在宅ALS患者の人工呼吸器使用者。 名簿掲載者9 > 保健所に配備された非常用電源5

2)課題

①対策の必要性を感じながらも取組が後回しになっている
・災害対策における関係者の理解が得られない、市町村との連携が難しい、災害に対する当事者の危機感がない等の理由で取組が進んでいない
・担当者が災害対策をどのように進めたらよいかわからない

②県統一様式でのリストや計画作成が必要
・避難行動要支援者リストや災害時個別支援計画の作成において、掲載する患者の基準や優先順位が県統一ではなく、災害時に混乱が生じる恐れがある

③非常用電源確保そのものの見直し、または県・市町村の単独事業としての取組を進めていく必要がある
・事業に登録している人工呼吸器装着の在宅療養難病患者が多く、災害時に非常用電源を届けることができない可能性がある
 難病患者・家族が災害時に安全を確保するための具体的な行動を取ることができるというところを、今年度、目標として立て取組の推進をしていく。

3)取組

①支援が必要な人の把握

<全県>
 A要援護者リストの対象基準・優先順位の明確化のための検討を実施 (令和5年度)
 B各保健所にて作成をされた要援護者リストの把握(通年)

<保健所>
 A難病患者の現状把握と要援護者リストの更新および作成(通年)
 B要援護者リストの所内・県庁・市町村との共有(通年)

②災害時に取るべき行動の明確化

<全県>
 A災害時個別支援マニュアルの見直しの実施(令和5年度)
 B避難訓練実施方法の作成(令和6年度)
 C災害時個別支援マニュアルの理解度を測定するためのアンケートの作成(令和6年度)

<保健所>
 A災害時個別支援マニュアル理解度アンケートの実施(令和6年度~)
 B患者・家族への意識啓発と準備の促進、支援者との共有(令和6年度~)
 C災害時個別支援マニュアルの作成・更新(通年)
 D災害時個別支援マニュアルの所内・関係者・市町村との共有(通年)
 E災害・停電を想定した訓練の実施(通年)

③災害時、要支援者を支援するための体制の構築

<全県>
 A災害対策ワーキング会議の実施(令和5~6年度:3~4回程度)
 B県難病対策協議会の開催(年1回)
 C県防災危機管理課との連携(県主催研修会等への参加等)
 D県障がい者福祉課と非常用電源確保事業について検討(令和6年度)

<保健所>
 A非常用電源点検・説明会の実施(年1回程度)
 B市町村との意見交換を実施(年1回程度)
 C難病対策地域協議会の開催(年1~2回程度)

4.委員からの意見等について

令和5年度島根県難病等対策協議会 委員意見

日本ALS協会島根県支部
支部長 景山敬二

 日頃より、難病対策の推進ならびにご支援にご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 難病当事者として、更なる療養環境の改善支援の方策として次の点を要望致します。

 昨年度も災害時の在宅人工呼吸器利用患者の安否確認のシステムについて意見を提出しましたが、今年度は停電時の対応に限定した意見を提出いたします。
 停電は落雷や台風・大雪といった自然災害以外にも工事による計画停電でも起こりえます。計画停電であれば事前に時間が決まっていますので、その時間さえ連絡があれば対応は可能です。
 私は平成20年に気管切開をし、翌年1月から人工呼吸器を装着して在宅療養を始めました。誰かからアドバイスがあったのか今となっては記憶が定かではありませんが、中国電力島根支社に「人工呼吸器を利用して生活している」と電話してもらったことははっきり覚えています。
 これまでに2回、工事による停電の電話がありました。工事は真夜中が多く、予告時間より早めに人工呼吸器をバッテリーに繋ぎました。唾液の低圧持続吸引メラチューブは電池式のポンプに接続し、エアマットは3層構造で電源が落ちても3層目のエアは抜けないので眠れぬことはありませんでした。

 平成24年3月に島根県健康福祉部健康推進課が作成した『在宅における人工呼吸器の安全使用のためのガイドライン』の中の「Ⅳ.在宅人工呼吸療法の災害時の備え」の3.停電対策には、以下のように書かれています。

 オ 日常的に電力が必要な難病患者であることを電力会社に伝え、停電の予告や緊急連絡時の速やかな対応について依頼しておく。また、長時間停電の際に、医療機関搬送が必要な場合に備えて、消防署にもあらかじめ緊急時対応の依頼をしておく。

 支部会員が作成に協力したので私は完成したガイドラインをネットで読みましたが、一般の患者さんはその存在さえ知らないと思われます。以前、近年人工呼吸器を装着された方に「中国電力に連絡した?」と訊ねたところ、「なんで?」との返事だったので事情を説明し、納得されました。
 今後、ALSに限らず人工呼吸器を着け在宅療養される方には、保健所保健師のほうから、電力会社と地域管轄の消防署へ連絡するよう奨めてください。 また、すでに療養中の方にも、連絡の有無を改めてご確認下さるようお願い致します。

<県の回答>


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