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「コロナ禍での生活」

諸岡了介

 2020年春に新型コロナの感染が広がって以来、さまざまな制限が敷かれる非日常的な日常が、もうすぐ丸2年にも及ぼうとしている(2021年12月現在)。新型コロナの影響は一様ではなく、たとえば、飲食業とIT産業でも異なっているし、地方と都会でもまた違っている。そんな中、島根のALSの患者さんとご家族はどのように過ごしておられるだろうか。この2年は、支部総会も書面でのやりとりとなって交流の場がないこともあり、この機会に会員のみなさんに様子をうかがってみた。取材は2021年10月に実施したので、そのときの状況の記録として読んでいただけたらと思います。(取材・執筆 諸岡了介)

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オンラインイベント「All Life Smile」に参加して

松江市 吉岡哲也

 「Als患者の人達を笑顔にさせる会」をご存知ですか? ALS患者の私には聞いただけでありがたい名前です。
 会を主催しているのはこの春に雲南市の三刀屋高校を卒業された三浦琴真(ことみ)さんです。
 ALS患者を父親に持つ彼女は「父のため、ALS患者のために何かしたい」と、おととし「Als患者の人達を笑顔にさせる会」を設立しました。
 高校生が地域社会や身近にある課題をテーマにプロジェクトを立ち上げ、解決に向けた取り組みを発表し、学びを深めあう実践型探究学習プログラム「しまね探究フェスタ2019、2020(高校生MY PROJECT AWARD 島根県Summit)」に参加してALSの現状や今後の思いを発表したり、患者訪問や難病フォーラム、シンポジウムの参加を重ね、出会った方や、体験して学んだ事、感じた事を会のホームページ(Face book)で発信されています。


 そして今年2月28日、もっとたくさんの人にALSという病気を知ってもらい理解してもらいたいと、自ら企画したオンラインイベント「All Life Smile」(オール ライフ スマイル)を開催されました。
 イベントはテレビや新聞でも紹介されたのでご存知の方も多いと思います。
 参加者の思い出に残るようにALSと同じ頭文字「All Life Smile」と題し、健常者と障がい者が一緒に参加できるようにZoomで開催され、約50人が参加しました。
 イベントは3組のゲストの方の講演です。


 私はそれまで「Als患者の人達を笑顔にさせる会」を知らなかったのですが、日本ALS協会島根県、鳥取県支部を取材していただいているテレビ局の記者の方に会とイベントの事を教えてもらい、ホームページを見て参加しました。Zoomもオンラインも初めてでしたが娘にセッティングしてもらい開始時刻を待ちました。
 10時開始でしたが皆さん待ちきれないのか、時間前から画面には患者を含めたくさんの顔が並んでいます!
 三浦さんの「皆さんこんにちはー!」と元気な声で始まり、イベント開催までの経緯と今日を迎えた思い、プログラムの説明とゲストの方の紹介でイベントがスタートしました。


 最初は日本ALS協会広島県支部・副支部長の長岡貴宣さんです。
 県立御調高校(尾道市)の教頭をされていた2016年にALSと診断された長岡さんは、病気を抱えている人たちへの理解を深めてもらいたいと、生徒たちに「弱っていく自分の姿を見てほしい」と病気を打ち明けられました。思いを受け止めた生徒達は長岡先生の闘病を支えながら、ALSの啓発活動や難病支援活動を始めます。
 昨年10月17日には広島東洋カープの協力の元、マツダスタジアムで試合の観戦に訪れた人々に向け、ALSの情報や重度訪問介護制度の理解と拡充に向けて行っている活動をパネルにまとめて設置し、分身ロボット・OriHime(オリヒメ)の体験コーナーを設けるなどして理解と関心を求めました。
 今回の長岡さんの講演も、気管切開する前に録音しておいた自分の声を、分身型ロボットOriHime(オリヒメ)で複製し、支えてくれる家族への感謝や、イベントにも参加されていた生徒さん達の将来への思いを語られました。


 次は兵庫県神戸市に本社のある、iPresence合同会社 さんです。
 アバターロボット技術や先端IT技術、インターネットを活用したより良いコミュニケーション文化の形を追求されており、社会のニーズに合わせた製品を開発、販売しています。今回はAI搭載型自走式ロボットやテレプレゼンスロボットの製品を紹介されました。外出できなくても簡単に誰とでも繋がれる便利なツールです。
 iPresenceさんは他にも様々なサービスを提供されてます。ホームページでご確認ください。


 そして最後は、福岡県のPLS(原発性側索硬化症)患者、落水洋介さんです。
 非常に明るく笑顔の絶えない方ですが、2013年に病気を発症し、告知後は落ち込む日々が長く続いたそうです。しかし、いろいろな人に支えられるうちに「難病患者でも出来ること、難病患者だから言えることがある」と気持ちに変化が現れます。
 症状が進行する中でもブログ掲載や講演活動、イベントの参加、テレビ・メディア出演など、行動を起こすことで徐々に仲間が増え、更に夢と希望が湧いてきたそうです。他にも電子書籍の出版、被災地への支援活動等々、多岐にわたって活動されてます。
 「今が一番幸せです!」と言える生き方をされている落水洋介さんの話を聞いて、難病患者は不幸だと思っているのは自分の心だったと気づかされました。


 休憩を挟んで2時間の開催でしたが、ゲストの講演中は参加者も情報やコメントを書き込み意見交換できました。イベントの最後は「ありがとう、また会いましょう」と画面に全員が集合し記念撮影をして終了しました。


 一人の女子高生が父親のために始めた活動が、多くの人に支持され、共感を呼び、イベントが開催され、たくさんの人が繋がり、元気と勇気をもらい、素敵な一日になりました。
 人を思いやる心、人との出会いの大切さ、人の笑顔に癒されることを改めて実感しました。


 三浦さんは看護師を目指して進学されましたが、これからも「世界中の健常者と障がい者の壁を無くす」を目標に活動されるそうです。新たなイベントも開催されることでしょう。
 私は勝手に三浦さんのこれからを楽しみにしております。
 皆さんも「Als患者の人達を笑顔にさせる会」のホームページを是非ご覧ください。きっと笑顔になれますよ。


保健師さんに聞いた、浜田市・江津市の療養環境

 島根県は大きく分けて、東部地区(出雲)・西部地区(石見)・隠岐地区の三つの地区からなっている。ところが、島根県は東西に細長いかたちをしているにもかかわらず、県庁所在地の松江市が東端に位置していて、人口の7 割近くが東部に分布する「東高西低」の状態となっている。

 日本ALS 協会島根県支部では地区間の偏りはいっそう極端で、現在のところ患者会員はすべて東部地区の住民であり、西部地区や隠岐地区の患者会員はひとりもおられない。島根県支部としては、東部地区以外の患者さんやその療養生活の様子がよく分からないことが、積年の懸念事項となっている。

 昨年(2017 年)には、ある新聞記者の方から西部地区のALS 患者さんについて取材をしたいという申出もあったが、取材可能な患者さんがおられないということで、記事を書くのを断念したという経緯もある。そこで今回は、浜田保健所の医事・難病支援課の保健師さんに様子を伺うべく、2018 年9 月18 日に浜田保健所を訪ねた。

(取材と構成・諸岡了介) (さらに…)


松浦和敏さん――島根県支部の原点を訪ねて

 日本ALS協会の島根県支部が設立されたのは1999年(平成11年)6月のことで、2018年には20年目を迎える。1999年での支部設立は47都道府県中22番目で、そもそもの人口が少ない島根県としては、かなり早い時期に立ち上げられたことになる。この島根県支部の立ち上げをリードしたのは、初代の支部長を務められた松浦弥生さんと、夫として弥生さんを支えた松浦和敏さんのご夫婦である。今回は、島根県支部が出発した当時のことを改めてお訊ねしたく、松浦和敏さんにお話をうかがった。(インタビューと構成・諸岡了介) (さらに…)


会員さんのALS的日常 Vol.3 ―― 田中文江さん・琢夫さん

 出雲市の街中を流れる高瀬川沿いはサイクリングロードとなっているが、平成289月、その道に面したところにある田中さんのお宅を訪ねた。お宅の向こう側に広がる水田が、ちょうど実りの時期を迎えていた頃である。

 田中文江さんは、平成14年にALSを発症し、現在も自宅にて療養生活を送っている。この度お話を伺ったのは、妻である文江さんを14年間に渡って支えてきている田中琢夫さんである。ALSといえば多くのケアが必要な難病であるが、琢夫さんの口ぶりはいつも穏やかで、過去のご苦労について尋ねたときでさえ、多くを語らず淡々と、「いろいろありましたけどね」とだけ笑っておっしゃるような方であった。そうした言葉の裏にある琢夫さんのお気持ちを、想像しながら読んでいただければ幸いである。(インタビューと構成・諸岡了介) (さらに…)


会員さんのALS的日常 Vol.2 ―― 奥井学さん

 今回、出雲市に在住の奥井学さんにお話をうかがった。奥井さんは、いまから五年前の平成二十二年九月、六十二歳のときにALSの診断を受けた。

 山陰放送が制作し平成二十四年二月に放映されたドキュメンタリー「生きることを選んで」を見た方は、奥井さんのことを覚えているのではないだろうか。このドキュメンタリーは、現・ALS協会島根県支部副支部長である谷田人司さんと、その奥さんである佳和子さんの活動にスポットを当てた番組であった。この番組の中で谷田さんとたびたび語りあっていたのが、奥井さんである。

 奥井さんは発症以来ずっと、気管切開をせずに生活をされている。番組撮影時から四年が経った今、たしかに病状は進行し、呼吸を助けるマスクと唾液を吸引するチューブを常時付けるなど、しばらく上体を起こした姿勢でいること自体も苦しそうなご様子であった。しかし、お話の内容はどれも筋道がとおっていて、聞いているうちに、息苦しい状態でむりにお話をしていただいていることをつい忘れてしまうほどであった。

 以下、ほかの患者さんの参考になればと、具体的なアドバイスを含めて、奥井さんがしてくださったお話を紹介したい。(インタビューと構成・諸岡了介) (さらに…)


会員さんのALS的日常 Vol.1 ―― 永島修一さん・繁子さん

 平成二十六年九月、いまは松江市となった旧東出雲町にある、ALS協会島根県支部会員の永島修一さん・繁子さんのお宅をお訪ねした。永島さん宅は中海のすぐそばにある。少し歩いて土手にのぼると、中海の向こうに大山が浮かんで見える絶好の景色で、春の時分には桜並木も美しいそうである。

 平成十年、六十歳のときにALSを発症した修一さんは、以来自宅と病院の両方を行き来しながら療養生活を送ってきたが、昨年の冬に体調を崩してからは病院での生活が続いている。この日は、一番身近で修一さんを支えてきている奥さまの繁子さんに、これまでの療養生活についてお話を伺った。突然のお願いにもかかわらず、ALSという情報の少ない病気について、少しでも続く患者・家族のためになればと、快く依頼に応えてくださったことに感謝を申し上げたい。(インタビューと構成 諸岡了介) (さらに…)



平成24年6月9日(土)13時30分~16時に松江市総合福祉センターにおいて行われた、日本ALS協会島根県支部総会・交流会に島根県立大学出雲キャンパスの学生1年~3年次生の13名が参加しました。そのときの学びと感想をまとめました。 (さらに…)


景山 敬二

 私はよく「どうしたらそんな笑顔でいられるの?」と尋ねられます。もちろん嫌な顔もしますし、泣くことも多々あります。むしろ気分が顔に出やすいほうです。人前で外面が良いだけなのです。では、なぜ造ってまで笑顔でいるのか。

「笑顔は究極の癒し」講演や会合で度々使う言葉です。他人の笑顔はもちろん、自分が笑顔でいることが大切です。笑っている時は病気を忘れられるので、看護師さんやヘルパーさんの言い間違いなど些細なミスを見逃さないようにしてでも笑っています。粗探しをされる方はたまったものじゃないでしょうが、どうかご勘弁を。 (さらに…)



H18/5月発行の支部広報誌『JALSAしまね』に掲載


3月になって、我家のプランターの小さな椿の木も幾つか花を咲かせました。花ごとポトリと落ちるので嫌われる人も多いのですが、良く見ると落ちてなおその花弁は艶やかです。花弁が痛んできても、雄蕊雌蕊は凛としています。寺社の境内や山道などで、椿の絨毯が敷き詰められた景色に心奪われたことのある人もきっと多いでしょう。私達ALS患者は椿の花のように思えてなりません。

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