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2011年 ALS患者・家族交流会の報告 浜田会場

11月 8th, 2011 | Posted by admin in 2011年 | 支部の活動報告

日本ALS協会島根県支部は保健所と共同で患者・家族交流会を県内2カ所で開きました。浜田会場には13名が集まり、患者・家族4組が療養環境などについて情報交換などをしました。

  • 【日時・会場】2011年6月11日 14:00~16:00
    浜田医療センター(浜田市浅井町777-12)
  • 【参加者】13人(患者1、家族4、訪問看護師3、保健所関係者4、難病医療専門員1)
  • 【プログラム】
    1. あいさつ 浜田保健所 竹内俊介所長
    2. 自己紹介
    3. 震災からの報告
    4. 患者・家族が情報交換
  • 【所長あいさつ】
    • ・まずは東日本大震災へのお悔み。
    • ・浜田地区では風水害、まず起こりうる災害への対応について浜田市、江津市も含め今後協議が必要。
    • ・今回は2回目の交流会。交流会を重ねることで参加してもらえる人も増やしたい。
  • 【震災からの報告】
    ALS患者に係る東日本大震災での被災例と今後の災害対応について、日本ALS協会本部総会での報告等をまとめたものをパワーポイントで発表。
  • 【情報交換】
    家族や訪問看護師いった患者・家族を支える立場の方々から、日頃感じている療養上の問題点が次々と提起されました。また、大災害時にどう対処すればよいかなど、考えておかなければならない問題についても様々な意見が出されました。
  • 大災害時にどう対処するか
    • ・このたびの震災で災害があったらどうするかを考える機会となった。
    • ・経管栄養の「エンシュア」「ラコール」が不足し、病院から処方が一時困難になった。その時は有料のものを自分で頼んだ。現在はその流通は回復。
    • ・発電機の貸出制度があるといい。
    • ・停電が一番心配。
    • ・震災を受け、対応の見直しが必要。一時的な停電対応は考えていたが、今回位のような長時間の停電の対応が必要と考えた。
    • ・地域全体で各分野が情報共有できる全体的な協議の場が必要。
    • ・県や市などの自治体の災害用備蓄用品は一般住民用が主となっている。各論的なことには穴がたくさんある。
    • ・風水害と地震は分けて、停電も短時間と長時間に分けて考える必要がある。
    • ・停電時の訓練はしたことがない場合多く、今後練習しないといけないと思っている。
    • ・アンビューをヘルパーさんにも練習してほしいが難しい。

    いかに介護するか~悩める家族~

    • ・病名の告知をしていない。いつ知らせたらいいのか悩んでいる。
    • ・大阪市と浜田市のサービスの差が大きい。こちらにいたら、24時間対応できない。大阪に移動することを考えている。
    • ・介護を始めたときは、全部自分がしようとして辛かったが、援助してくれる人に任せようと思った時、自分だけでは無理だと思った時から楽になった。
    • ・今、一人で頑張って介護している。
    • ・浜田では、痰の吸引ができるヘルパーがいない。難病医療連絡協議会でも要望しているが・・・。松江では、定期的な講習会がある。
    • ・ヘルパーの吸引等の講習会は、浜田でも今後検討したい。
    • ・ヘルパー吸引は事業所としては無理でも、個人的に勉強したい人はいると思う。
    • ・松江では研修を受けたヘルパーが、訪問看護ステーションの看護師のトレーニングを受けて、患者との個人契約で吸引を実施している。

    何とかならぬか構造的問題

    • 浜田では今もレスパイト(在宅療養を支える家族の休養のための)入院ができない状態が続いています。主な理由は県内の医師不足で、済生会江津総合病院が一部病棟を閉鎖。その影響で浜田医療センターの難病病棟に一般の患者が流入し、満床状態となったこともあり、浜田医療センターはレスパイトを受け入れていません。浜田圏域の家族は過酷な介護を強いられています。
    • ・浜田地域でレスパイトや短期入所できるところを何とかしてほしい。
    • ・冠婚葬祭等で急な受け入れもしてもらえるような対応もお願いしたい。今は、気管切開もしていないので、本人がデイサービス等へ行っている間に自分が通院している。
    • ・気管切開すると対応してもらえる施設がない。24時間見てくれる施設や病院がほしい。
    • ・専門の先生が短期間で代わるし、常時おられない。先生が代わるたびに心配。この先も不安。
    • ・浜田医療センターは特定疾患病棟を作る計画があったがどうなったのか。
    • ・浜田医療センターとしては、脳神経内科医がいない状況で、病院としてレスパイト入院を受けるという意思表示が今すぐにはできない状況。
    • ・益田赤十字病院は、益田赤十字病院の患者ならレスパイトを受けてもらえる。浜田医療センターでは受けてもらえないのが残念。
    • ・連携の一環として、益田赤十字病院にでもレスパイトのお願いができないものか。
    • ・この会に、浜田医療センターの院長、医師、看護師等に参加してもらいたい。
    • ・松江では患者サロンに医師、看護師の参加を呼びかけ参加してもらっている。
    • ・なぜ、レスパイトができないのか。
    • ・専門性を重視する医学教育の弊害もある。
    • ・小さい病院とのネットワークも今後必要である。

  • 【交流会を終えて】
    今回も保健所の方々に全面的にご協力頂きました。浜田医療センターには会場を提供して頂きました。ありがとうございました。浜田圏域ではレスパイト入院ができないなど、在宅療養の体制の不備が続いており、患者・家族と行政が一体となった取り組みが必要であることを強く感じました。
  • 【編集後記】
    レスパイト入院ができないのは県内では浜田圏域くらいです。ヘルパーによるたん吸引もできず、この圏域は県内で最も過酷な療養体制と言えると思います。患者・家族と行政が一体となって粘り強く浜田医療センターにレスパイトや吸引講習を働きかけないと、いつまでも過酷な療養環境は変わらないと思います。呼吸器の内科医がいればできるはずです。今こそ当事者の頑張り時です。環境の不備で都会へ移るというのは悲しすぎます。

編集人:日本ALS協会島根県支部 谷田人司
2011.10.26


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