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「令和6年度 難病等対策協議会の報告」

令和7年3月12日、令和6年度 島根県難病等対策協議会が出雲市のしまね難病相談支援センター会議室にて開催されました。会場へ出掛けられない委員はwebで参加しました。私は入院中のため欠席しましたが、事前に委員意見を提出しています。

3月25日には県健康推進課 担当者様より意見への回答が、31日には議事録が送付されました。資料の中から、ALSに係わることを中心に抜き出し、議事録も交え報告します。

(2025/8/18 景山敬二)


目次


令和6年度 島根県難病等対策協議会資料

挨拶(開会)

冒頭の健康推進課 片岡大輔課長の挨拶の中の一部で、
「島根県の人口は減り続けていますけれども、それに対して、指定難病の医療受給者数は現在も増え続けています。高齢化、対象疾病の増加という背景があるのは確かですけれども、支援の必要な患者さん、レスパイト入院が必要な方、在宅で人工呼吸器を使用する患者さんの支援、難病相談や災害時の対応などのニーズも増しています。
昨年の夏には、日御碕地区で土砂崩れが起き、地区内のライフラインは全て保たれていましたけれども、道路が通れなくなって孤立されました。電気、水道等は通っていたこともあって、幸い難病患者さんについてのケース対応はあまり注目されてなかったかなと思います。これからは、真っ先に現地に入って指揮を執られるDMATと地域の患者情報を持つ保健所、市町村等との情報共有をいかに早く効率的にできるかというところが災害時支援のポイントとなって、普段からの情報収集と、その情報をいかに役立てるかというところが注目されていると思います。災害時だけではなくて、平時の在宅療養支援、レスパイト入院や難病相談支援事業につきましても、普段からの備えについて活発な議論をお願いいたします。」と述べられた。

報告事項

1.指定難病医療受給者数の推移について

【受給者数】

  • 現時点における指定難病       341疾患
  • 指定難病医療受給者数       6,979人(令和7年1月末現在)
  • うち筋萎縮性側索硬化症        95人(令和7年1月末現在)
  • 前年度末 101人

毎月60人から100人くらいの増加が見込まれていて、6年度末では約7,000人の患者数が予想される。

2.難病医療提供体制整備事業について

〇難病診療連携拠点病院等の指定状況

指定はいずれも平成31年3月1日(よしか病院のみ令和6年3月1日指定)

難病診療連携拠点病院(1ヶ所)島根大学医学部附属病院
難病診療分野別拠点病院  (2ヶ所)島根県立中央病院(視覚系を除く全疾患群)
国立病院機構 松江医療センター(神経)
難病医療協力病院  (23ヶ所)松江圏域:松江市立病院、松江赤十字病院、松江生協病院、鹿島病院、安来市立病院
雲南圏域:雲南市立病院、平成記念病院、町立奥出雲病院、町立飯南病院
出雲圏域:出雲市立総合医療センター、出雲徳洲会病院、出雲市民病院、斐川生協病院
県央圏域:大田市立病院、公立邑智病院、仁寿会 加藤病院(川本町)
浜田圏域:国立病院機構 浜田医療センター、済生会江津総合病院
益田圏域:益田赤十字病院、津和野共存病院、益田地域医療センター医師会病院、よしか病院
隠岐圏域:隠岐病院

より早期に正しい診断をする機能としての難病診療連携拠点病院、専門領域の診断と治療を提供する機能としての難病診療分野別拠点病院、身近な医療機関で医療の提供と支援する機能としての難病医療協力病院と、機能別に指定をしている。

○在宅重症難病患者一時入院支援事業利用状況

医療依存度の極めて高い在宅重症難病患者の介護者の休養等のため、重症難病患者(人工呼吸器を使用している方、または気管切開しており、頻回吸引を必要とする方)が一時的に入院できるよう支援する事業。一時入院を受け入れる医療機関(委託契約医療機関)に対し費用を助成し、一時入院を行いやすくすることにより、在宅における安定的な生活の継続を図ることを目的としている(助成は年度で28日を限度)。

利用日数は令和4年度が延べ225日、令和5年度は361日、令和6年度が2月時点で249日という状況になっている。昨年度は、松江圏域内での利用者数が前年と比較して増加し利用日数も大きく伸びたが、今年度は従来どおりの利用状況となっている。

圏域別の受入れ状況では、ALSの在宅療養患者数の多い出雲圏域では、圏域を越えて松江圏域での受入れも数件あったが、その他の圏域では圏域内の医療機関で受入れをいただいている。

県と在宅重症難病患者一時入院(レスパイト)支援事業の制度委託契約を交わした医療機関は7圏域・24医療機関。委託医療機関名を挙げるが、すべての機関で受入れ実績があるわけではない。

患者側としては、普段と同じケアがしてもらえるのか、コミュニケーションは上手く取れるのかといった不安が大きい。介護者の急な発病、希望入院日・日数等には応じてもらえないのがネックとなっている。レスパイト入院の相談・申込みは、難病相談支援センター・各保健所へ。

受託医療機関(令和7年2月現在)

松江圏域松江医療センター、鹿島病院、松江赤十字病院、安来市立病院
雲南圏域雲南市立病院、平成記念病院、町立奥出雲病院、町立飯南病院
出雲圏域出雲市民病院、出雲市立総合医療センター、斐川生協病院、県立中央病院、出雲徳洲会病院、島大附属病院
県央圏域大田市立病院、公立邑智病院、加藤病院(川本町)
浜田圏域浜田医療センター、済生会江津総合病院
益田圏域益田赤十字病院、益田医師会病院、津和野共存病院、よしか病院
隠岐圏域隠岐病院

〇在宅人工呼吸器使用特定疾患患者訪問看護治療研究事業利用状況

この事業は、筋萎縮性側索硬化症・多発性硬化症・脊髄小脳変性症等により在宅で人工呼吸器を使用している患者のうち、医師が訪問看護を必要と認める患者を対象としている。

訪問看護ステーションに訪問看護を委託し、診療報酬において定める回数を超えた訪問看護を実施する場合には、原則として1日に3回目、4回目(ただし、特別な事情により複数の訪問看護ステーション等医療機関により訪問看護を実施する場合にはこの限りではない)の訪問看護について、患者1人当たり年間260回を限度として助成する事業。

利用患者数は8名で、前年度より2名増加。

[利用状況]                     令和7年1月現在

  • 松江圏域 2ヶ所の訪問看護ステーション
  • 出雲圏域 2ヶ所の訪問看護ステーション
  • 浜田圏域 1ヶ所の訪問看護ステーション

○難病医療提供体制整備事業報告

・難病診療連携コーディネーターの活動報告
この事業は、主に重症神経難病に関わる相談支援を行っている。
難病診療連携コーディネーターが対応した相談件数は985件(令和6年12月末現在 前年同期1,280件)。相談者の実人数は74名なので、1人が複数回相談していて、難病療養の厳しさがうかがえる。新規が2.5%、継続が97.5%とほぼ継続相談が占めている。
相談者内訳としては、支援者からの相談が80.1%、次いで患者本人が10.1%、家族が5.2%となっていて、患者本人・家族よりも支援者からの相談対応が多いという状況。支援者の内訳は、保健師、医療ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、リハビリ専門職の順に多くなっている。
相談内容としては、コミュニケーション方法、療養場所、治療法選択の意思決定に関する相談が多い。
疾患別では神経・筋疾患が99.8%を占めており、ALSが835件と全体の8割以上を占めている。
そのほか、個別のケース会議が37件(退院前・在宅サービス・治療選択・レスパイト的入院・コミュニケーション・災害に関する支援会議)。
入転院の調整はレスパイト的入院の6件中5件がALS、長期入院・入所が1件でALSである。
これらのことからもALSの介助・介護・療養がいかに苛酷であるかが伺える。

・難病医療従事者研修状況について
座学となる難病医療従事者研修を松江医療センターと西部の済生会江津総合病院の2回開催。西部では初めて開催した。訪問リハビリテーションを見学・体験する医療機関実習は患者宅で計2回開催した。難病コミュニケーション支援研修会は難病相談支援センターで1回実施し、12名が受講した。

・在宅人工呼吸器の医療安全に係る事故報告
報告なし。

・圏域別  筋委縮性側索硬化症患者の状況
全体で92名(令和6年9月末現在)。うち、在宅が53名(57.6%)。そのうち12名(在宅の22.6%)がレスパイト入院を使っている。人工呼吸器は44名(47.8%)が呼吸器を使っていて、そのうち16名(在宅の36.4%)がNPPVを使っている。人工呼吸器装着の在宅療養者は17名(38.6%)。経管栄養は全体の53.3%にあたる49名が利用している。

県内筋委縮性側索硬化症患者の状況        令和6年9月末現在

保健所人数性別年齢別
50歳未満50歳代60歳代70歳代80歳以上
松江保健所39241514131110
雲南保健所42200211
出雲保健所2113833483
県央保健所63300231
浜田保健所105501162
益田保健所85301133
隠岐保健所43100121
92553749243421

県内の患者数は92名。療養環境では、全体の57.6%にあたる53名が在宅生活を送っている。そのうち12名(在宅の中の22.6%)がレスパイト入院を使っている。人工呼吸器は44名(全体の47.8%)が使っている。そのうち16名はNPPVを使用。人工呼吸器を使って在宅療養しているのは17名。経管栄養は全体の53.3%にあたる49名がしている。

・機器貸し出し状況
miyasuku EyeConとスイッチ類のEye Trackerの貸し出しが増えている。どちらも視線入力装置で、視線入力装置の需要が高くなってきている。
“伝の心”や視線入力パソコン“miyasuku EyeCon”などのコミュケーション装置を購入前のお試しや、故障時の一時貸し出しをしている。また、スイッチも様々な種類のものが用意してあるので、病状の進行に応じたスイッチを試すことができる。
貸し出しの希望は各保健所・難病相談支援センターへ。

3.難病相談支援事業等について

○難病相談支援センター事業報告

難病診療連携コーディネーターばかりでなく、ヘルスサイエンスセンター島根内にある“しまね難病相談支援センター”でも、難病患者・家族の各種相談やレスパイトを含む入院先の調整、就労・患者会活動支援など多岐にわたる難病患者の支援活動を行っている。

年度(令和6年12月末日現在)の総相談件数は639件(前年同月648件)で、ほぼ横ばい。相談者内訳は、新規が138件(21.6%)、継続が501件(78.4%)である。コロナの前頃に、相談件数が落ちてきたが、コロナ後、相談件数が毎年増加している状況になっている。

地域別では、相談支援センターは県内全てをエリアとしているが、出雲市にあるということもあり県東部の方の利用が多くなっている。これまではずっと県東部の方の利用が8割以上だったが、県西部の保健所と連携等をした結果、県西部の相談件数が増えてきて、12月末現在だが約3割までになった。

相談方法は、電話が6割近く、面談(来所・Zoomで保健所とつないで)が約2割、メールが約2割。

相談者の内訳は、本人が55%、家族が約1割、支援者が約3割を占めている。

疾患別でみると、神経・筋疾患系は271件と全体の37.7%を占め最も多い。次いで全身性エリテマトーデスなどの免疫系、クローン病などの消化器系、網膜色素変性症の視覚系、血栓性血小板減少性紫斑病などの血液系と続く。神経・筋疾患系がトップの傾向はここ数年変わらず、このことからもALS(筋萎縮性側索硬化症)・パーキンソン病・重症筋無力症などの神経・筋疾患を抱えての療養生活の過酷さが推し量られる。

神経内科・膠原病内科の専門医が各地域で相談を受ける専門相談は、年間15回で53件の相談を受けた。令和6年度から新しい試みで、膠原病の相談はZoomを使用したオンライン相談にしている。相談者が各地域の保健所に出向き、センターにいる専門医とZoomでつなぐという形での専門相談となっている。6年度は好評だったので、7年度もこの形で膠原病内科の相談は実施していく予定。

センターが実施している事業の中に医療講演会と講師派遣事業がある。講師派遣事業は患者や家族が講師となり、県内の医療系・福祉系の学生に難病のことを理解してもらう事業を行っている。

全県的な難病患者・家族会の活動を支援しているが、患者会の活動もコロナ禍以前に戻ってきていて、総会や研修会等が実施されるようになってきている。

難病サロンは、現在、年に2回開催しているが、その回数についてはまだ検討が必要としている。

難病フォーラムも隠岐の島町で開催された(11月9日)。

難病相談支援センターは各保健所と連携し、各種相談・啓発にあたっている。

<啓発活動>

  • ◇「難病の日(5月23日)」に併せて、県庁玄関ロビー・浜田市 道の駅ゆうひパーク役所ロビーにおいて難病患者家族会の活動紹介展示を実施。
  • ◇「世界希少・難治性疾患の日(Rare Disease Day :RDD 毎年2月末日)」に併せて、松江テルサでマルシェを開催し、県内5か所の図書館で難病患者家族会の活動紹介展示を実施。

〇保健所における難病相談・支援事業等実施状況

保健所ごとに非常にたくさんの相談と支援の事業が行われている。

松江では10月23日にALS患者・家族のつどいが、隠岐では隠岐保健所が事務局となり島根県難病フォーラムが開催された。

4.災害対策について

災害時難病患者個別支援計画の様式を作成した。現在、この様式を基に各保健所を中心に訪問介護ステーションやケアマネ、かかりつけ医など、地域の支援者との協力の下、在宅人工呼吸器使用者から優先的に作成を進めているところ。計画作成後は本人・家族・支援関係者で内容の共有をしながら、年1回程度はその内容の見直し、更新等を行う予定。

支援が必要な対象者の把握のため、今年度より特定医療費の申請書の様式に医療処置等の内容を把握する項目を新たに設け、対象者リストの作成、各市町村との情報共有等を行っているところ。引き続き、市町村・支援関係者と必要な情報を共有し、災害時の支援につなげていく。

5.難病法の改正等について

令和7年4月1日から2疾患の疾病名が変更され、7疾患が新規疾病として追加された。

令和6年4月1日から臨床調査個人票の診断基準と重症度分類が改正された。

協議事項

2.委員からの意見等について

令和6年度島根県難病等対策協議会 委員意見
日本ALS協会島根県支部
支部長 景山敬二

日頃より、難病対策の推進ならびにご支援にご尽力を賜り、厚く御礼申し上げます。

難病当事者として、更なる療養環境の改善支援の方策として次の点を要望致します。

島根県にはしまね医療情報ネットワーク(愛称・まめネット)があり、難病患者の中でも在宅療養者のレスパイト入院利用時には極めて有益なものとなっています。

私もネットワークができた平成25年当時は在宅療養でしたのですぐに加入し、レスパイト先の病院に情報開示を承認しました。私たちのように気管切開をすると、病院で家での様子や退院後に病院での様子を聞かれても簡単には答えることができません。ナースサマリーを病棟と訪問看護ステーション間でかわしますが、連携カルテはより細かなことまでわかると思われ、患者にとって有益なものです。

私はこれまでに胃瘻交換をする病院とは別に4病院でレスパイト入院を経験しています。どの病院でも情報開示に同意しましたが、ある病院は情報提供施設であるにもかかわらず訪問看護ステーションが連携カルテを見ようとしても開示されていませんでした。

まめネットに登録後、レスパイト入院初日に事務方にはまめネット加入を伝えていますが、どの病院でも病棟で気管カニューレと胃瘻のメーカー・サイズを聞かれ、事務方と病棟の連携不足を感じました。

せっかくのネットワークが活かされないのは惜しいですので、加入した医療機関には十分な活用を要望します。また、在宅療養の難病患者へ加入を奨めてください。

<県の回答>