先日、平成30年度 島根県難病等対策協議会が開催されました。都合により出席はできませんでしたが、事前に委員意見を提出しています。
協議会後、県の担当者様から資料を送っていただきました。資料の中からALSに係わることを中心に抜き出して報告します。提出した委員意見は[4.協議事項]で説明・協議されたようです。委員意見に対する県の回答は、送られて来次第に報告します。
(2019/1/31 景山敬二)
平成30年度島根県難病等対策協議会
と き:平成31年1月20日(日)
14:00~16:00
ところ:出雲保健所大会議室
次 第
- あいさつ
- 会長選出
- 報告事項
- 1) 指定難病医療受給者数の推移について
- 2) レスパイト事業について
- 3) 難病相談支援事業について
- ・ 難病相談支援センター事業報告
- ・ 保健所における難病相談・支援事業等実施状況
- 4) 難病医療提供体制整備事業について
- 5) 難病患者への就労支援について(島根労働局より)
- 協議事項
- 1) 新たな難病医療提供体制の構築について
- 2) 委員からの意見等について
- その他
[報告事項]
○指定難病医療受給者数の推移について
【受給者数】
指定難病医療受給者数 5,828人(平成30年12月末現在)
うち筋萎縮性側索硬化症 92人(平成30年12月末現在)
前年度末 92人
○レスパイト事業について
県と在宅重症難病患者一時入院(レスパイト)支援事業の制度委託契約を交わしたことのある医療機関は7圏域・24医療機関(H30年12月末現在)。委託医療機関名を挙げるが、すべての機関で受入れ実績があるわけではないし、現在は契約を更新していない機関もある(現在の委託契約医療機関は『新たな難病医療提供体制の構築について』に掲載)。
委託医療機関であっても制度を利用しない受入れもあり、県と契約をしていない医療機関のレスパイト受入れもある。レスパイト入院の相談・申込みは、各保健所へ。
○難病相談支援事業について
・難病相談支援センター事業報告
ヘルスサイエンスセンター島根内にある“しまね難病相談支援センター“は、難病患者・家族の各種相談やレスパイトを含む入院先の調整、就労・患者会活動支援など多岐にわたる難病患者の支援活動を行っている。
年度(H30年12月31日現在)の総相談件数は468件(前年同月617件)。疾患別でみると神経・筋疾患は155件と全体の33.1%を占め最も多い。このことからもALS(筋萎縮性側索硬化症)・パーキンソン病・重症筋無力症などの神経・筋疾患を抱えての療養生活の過酷さが推し量られる。ALSのみは10件とほぼ前年度並み(前年度11件)。
神経内科・眼科など医師等による専門相談も各圏域で15回開催し、56の相談件数実績を残している。
支部も共催している難病サロンは、各地で14回開催し、参加人数は138名。難病患者・家族の交流・情報交換の場となると共に、看護学生・研修医には難病患者・家族の声を聞ける学びの場ともなっている。
難病相談支援センターは各保健所と連携し、各種相談にあたっている。
・保健所における難病相談・支援事業等実施状況
保健所においては、『患者・家族教室』『ピアサポート・ボランティア養成』『難病医療研修』『難病フォーラム』等を開催して支援にあたっている。
また、『在宅療養支援計画策定・評価事業』『訪問相談事業』『訪問指導事業』で、主にALSはじめ神経難病患者の療養支援やQOLの向上にあたっている。さらに各圏域で『難病対策地域協議会』を開き、市町村や病院・訪問看護ステーション・介護事業所などと意見・情報交換を行っている。
○難病医療提供体制整備事業について
難病医療専門員が対応する相談件数は1,008件。相談実人数が63名であることから、1人が複数回相談していると思われる。相談件数の7割近くとなる669件がALSである。ALS患者の療養環境の過酷さがうかがえる。相談内容は、療養相談がトップで、続いて意思伝達装置・福祉機器・福祉制度・レスパイト的入院・入転院となっている。
[協議事項]
○新たな難病医療提供体制の構築に向けて
島根県健康福祉部健康推進課
■現在の医療提供体制
①重症難病患者の入院施設の円滑な確保を目的に整備(難病医療提供体制整備事業)
②島根県在宅重症難病患者一時入院支援事業(レスパイト入院)
■国の示す難病医療提供体制の全体像
○連携の中心となるべき病院を県が指定
・拠点となる病院 及び 難病診療の分野別の拠点病院
○早期に正しい診断を行うため、県内の連携体制の構築する
○県の枠を超えた早期に正しい診断を行うための全国的支援ネットワークの整備
・極めて希少な疾患の診断・治療等に関する相談等への対応
・検査、診断が可能な医療機関がない県に対する情報の提供
・各県の難病医療提供体制に係わる情報の収集・公開
■課題
<全国的な課題>
1.発症から確定診断に至るまでに時間がかかる
2.診断可能な医療機関がわかりづらく、難病が疑われながらも確定診断に至らない
3.確定診断に必要な遺伝子関連検査の実施にあたり説明が十分でない
4.治療と学業・就業生活との両立が容易ではない
<当県の課題>
1.県全体の医師不足により専門医も不足、偏在がある
2.交通の便が悪く、通院医療機関が限られる
■目指すべき方向性
1.できる限り早期に正しい診断ができる体制
2.診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制
3.遺伝子診断等の特殊な検査について、倫理的な観点も踏まえつつ幅広く実施できる体制
4.地域で安心して療養しながら暮らしを続けていくことができるよう、治療と療養の両立を支援する体制
5.小児慢性特定疾病児童等の移行期医療にあたって、小児科と成人診療科が連携する体制
以上の点を整備するため、島根県における新たな医療提供体制を検討する
○委員からの意見等について
島根県立中央病院 委員
① 難病における遺伝子診断と保険適用化
県内で検査をできる機関の設置や共有化を含む
② 指定難病の臨床調査個人票の扱いとフィードバック
どのように使われ、どのように活かされているか、見える化
③ 難病の治療ケアは集約化すべきなのか
患者数が少ないので、医師としては診断・治療・ケアまで関われると勉強になる反面、個別の対応になりやすい
山陰網膜色素変性症協会
島根県難病患者会の設立にご協力をお願いいたします。
日本ALS協会島根県支部
平成30年度島根県難病等対策協議会 委員意見
日本ALS協会島根県支部
支部長 景山敬二
平素の難病施策ならびにご支援に厚く御礼申し上げます。
難病当事者として、更なる療養環境の改善を申し入れます。
昨年度の協議会で、「
1.入院中における重度訪問介護を利用したヘルパーの付添いについて市町村への指導
2.引き続き医療的ケアのできる介護職員が増えるよう対策
」の二点を要望いたしました。
1については松江市において、今年度当初から活用されているのを支部も把握しております。2については、レスパイト入院中の医療機関での実地研修の実施と、患者数が多いのに医療的ケアのできる介護職員が少ない松江圏域での研修開催を実施していただきました。誠にありがとうございます。
1について他市町村でも実施が広がるよう、引き続きご指導願います。
2について、長期入院での実地研修は認められていませんが、気管切開の手術入院はレスパイト・一般入院のどちらにあたるでしょうか?気管切開後、訪問ヘルパーへ指導が行われなければ在宅療養は成り立ちませんので、いつまでも退院出来ません。また、長期入院から在宅療養に移行する場合、現行では介護職員への実地研修ができませんので、いつまでも退院はかないません。
厚労省は「介護職員の医療的ケアについては平成24年4月1日に法制化されたが、その研修機会はまだまだ十分でないため、利用者がすぐにヘルパーの吸引を必要とする場合などは、法に基づく喀痰吸引等研修をヘルパーが受講するまでの間は、当然、ヘルパーはそれ以前からの通知による実質的違法性阻却による方法によって吸引が可能」との考えを表明しています。この厚労省の見解を理解し、研修指導看護師、訪問看護事業所、訪問介護事業所、病院等の各関係機関への伝達・周知をお願いいたします。
医療費削減の観点からも有益と思われますので、是非よろしくお願いいたします。
また、介護職の増員のための『介護の仕事で生きていく』とのテレビCMも一時期、県の提供で流していただきました。しかし、介護職員の離職は収入不足が大きいと思われます。県からも介護職員の収入アップを国へ働きかけてください。