13.車椅子旅行のポイント
ALS患者でも旅行ができるよう、自らの経験からいくつかポイントを列記してみました。参考になれば幸いです。
■飛行機
<運賃>
- 身障者第1種であれば、約36%引きとなる身障者割引運賃が本人と介助者1名に適用されます。
- 身障者第2種であれば、本人のみ身障者割引運賃が適用されます。
- 「スーパー旅割」などの格安運賃でも搭乗できます。身障者割引運賃と比較して有利な運賃を選ぶと良いでしょう。
- 呼吸器や吸引器を足下のスペースに置く関係から、JALのクラスJ(一般席より1000円割り増し)が快適でリーズナブルです。
- 座席で座位の維持が困難な方には、航空会社がストレッチャーを用意します。但し、運賃はかなり割高です。
<予約>
- 航空会社所定の書式による医師の診断書を、搭乗2週間以内に事前に航空会社にファクスと電話をするよう求められています。診断書用紙は航空会社のホームページからダウンロードできます。
ANAスカイアシスト
ANA診断書用紙ダウンロード
JALプライオリティ・ゲストサポート
JAL診断書用紙ダウンロード
<搭乗>
- 搭乗手続きは1時間前までに(車椅子搭載や搭乗への対処から)
- 車椅子の搭載や機内への乗り込みはすべて空港スタッフが介助します。
- 搭乗は最初、降機は最後です。
- 当日希望すれば、飛行機のドアの前まで自分の車椅子で行けます。
- 航空法により離着陸時に機内で電子機器は使えませんが、呼吸器は機種によってはJAL・ANAとも使えます。呼吸器が使えない場合はアンビューバッグでの対応です。
- 機内では体を座席に固定するベルトを使えます。事前に航空会社に申し込みます。
■鉄道(主にJR)
<運賃>
- 身障者割引運賃の適用は第1種が乗車券、急行券、第2種は乗車券のみです。特急券、寝台券等は対象外です。
- 第1種は本人と介護者が半額、第2種は本人のみ片道101キロ以上乗車する場合に限り半額です。
<予約>
- 車いす用座席を申し込む場合は2日前までに、直接JRの駅のみどりの窓口に申し込みます。全国のJR各社の座席を手配できます。なお、旅行代理店では車いす用座席を扱いません。申し込み要領は下記のURLをご覧下さい。
http://www.jr-odekake.net/railroad/service/barrierfree/care2.html - 一部の特急列車では出入り口の幅が60センチしかなく、せっかく車いすスペースがあっても乗れないケースがあります。(伯備線のやくも号など)
<乗降>
- 乗車駅に早めに到着し、駅員に介助を任せます。
- 無人駅や駅員が少ない駅での介助は事前に駅のみどりの窓口へお問い合わせ下さい。下記のURLをご参照下さい。
http://www.jr-odekake.net/railroad/service/barrierfree/care.html - ホームと車内間の移動については渡り板を使って駅員が車椅子を押します。
- ディーゼルカーは床が高いため、ホームとの段差が大きくなります。車椅子の背もたれを大きく倒したり、車椅子の背面に荷物をたくさん積むと後ろに転倒する危険が高まります。
- 地下鉄、私鉄、JRの駅のエレベーターの有無や位置をホームぺージで事前に確認しておくと便利です。
- エレベーター等がない駅での乗降は駅のみどりの窓口へお問い合わせ下さい。
<車内設備>
- 大都市の電車の多くには車椅子専用スペースがあります。
- 最近の特急には車椅子専用席があります。
- 新幹線の車椅子専用席にはコンセントが備えられています(一部を除く)。人工呼吸器や吸引器を使うことでき、快適です。
- 新幹線や一部の在来線特急には多目的室があり、ストレッチャー型車椅子でも利用できます。事前に駅のみどりの窓口にお尋ね下さい。
- 寝台特急の中には身障者専用個室があり、割安な上に広く、車椅子で入れるトイレやコンセントもあり、人工呼吸器を着けていても心配ありません。
■駅や空港へのアクセス
- 身障者手帳を持っていると種別に関わらずタクシー運賃は1割引です。
- 介護タクシーの有無をインターネットで探し予約しておくと便利です。
- 全国介護タクシー協会ホームページは下記の通り
http://www.kaigo-taxi.com/kaiin.htm - 迎車料金が必要な場合があります。
■バス
<運賃>
- 身障者割引運賃の適用は手帳所有者であれば種別に関わらず、多くの会社で本人は半額です。
- 介護者についてはすべての種別で半額になる会社もあれば、第1種の介護者のみ半額になる会社、介護者は割引しない会社と様々です。
(例 全種別半額:日本交通、東京都交通局、京急バスなど 第1種のみ半額:松江市交通局、京都市交通局など 割引なし:中国JRバスなど)
<乗降>
- 長距離バスでは車椅子はトランクに収納します。
- 車内への乗降は運転士が介助します。
- 近年はスロープ付きのバスで車両更新する例が多く、既に京都市交通局は全車、東京都交通局はほぼ全車がスロープ付きの低床バスです。山陰でのスロープ付きバスの比率は松江市交通局が42%、一畑バス松江が18%(いずれも2011年8月現在)となっています。
- 時刻表やHPに車椅子マークの記載がないバス会社に対しては、問い合わせが必要なるなど、ソフト面での不備がまだ目立ちます。一方、北海道中央バスのように、自分が希望する便にわざわざスロープ付きのバスを運行してくれる会社もあります。
■船舶
<運賃>
- 身障者割引運賃の適用は、第1種だと本人と介護者が全等級半額になる場合が多いようです。
- 第2種だと本人のみ半額の会社が多いようです。第2種の場合、上等級には割引を適用しない会社があります。
<予約>
- 人工呼吸器装着者は事前に医師の診断書をファクスで提出するよう求められる場合があります。
■宿泊施設
- バリアフリールームはスィートルーム並みに広いところもあり、車椅子の取り回しも楽です。トイレは身障者用です。
- いわゆる「公共の宿」やその土地で有名な宿にバリアフリールームの設置例が多いようです。
- バリアフリールームでも枕元にコンセントがない部屋が多いため、呼吸器用に延長コードを持参されることをお勧めします。
- ネットで割安な宿泊プランを予約した後、メールや電話でバリアフリールームへの変更を申し出るのが一番安上がりに予約する方法のようです。その際、割増料金は多くの場合、無いか少額です。
- (例1) 函館国際ホテルツィンルームをじゃらんネットで予約。チェックイン時にバリアフリールームを希望
→ 2名で朝食付き1万2000円(割増なし) - (例2) アートホテルズ札幌ツィンルームをじゃらんネットで予約。その後ホテルにメールでバリアフリールームを希望
→ 2名で朝食付き1万8830円(2230円割増) - (例3) 広島市国際青年会館(旧広島厚生年金会館)のツィンルームを電話で予約。
→ 2名で約1万円
- (例1) 函館国際ホテルツィンルームをじゃらんネットで予約。チェックイン時にバリアフリールームを希望
■バリアフリー情報
観光施設、交通機関、宿泊施設、飲食施設、トイレなど地域のNPOなどがインターネット上で調査結果を公表している例があります。
(例)
全国バリアフリー旅行情報
山陰バリアフリーツアーセンター
広島・呉バリアフリー観光ガイド
■主な携行品
消耗品バッグの中身は・・・
①口腔内用カテーテルの洗浄水
②バイトブロック(吸引時の舌噛み防止用)
③カテーテル(気管用・口腔用)
④気管用カテーテルの洗浄水と収納容器
⑤消毒綿
⑥アンビューバッグ
⑦テストバッグ
⑧予備の人工鼻・フレックス・カニューレ
⑨吸引器の充電器
⑩吸引器トートキューブ(totoCUBE vac)
⑪人工呼吸器トリロジー100
( 専用バッグに収納)
⑫消耗品バッグ
折りたたみ式電動車椅子の背面には・・・
専用バッグに収めた人工呼吸器、自動吸引システム、吸引器、消耗品バッグ、メラ吸引器、ベッドに移るときのスライド板、透明文字盤を引っかけています。
2011,11,17改訂 谷田人司